月曜日

「ウィキリークス」創設者へのレイプ容疑、
取り下げ → 痴漢容疑に変更
(2010年 8月 23日 THE WALL STREET JERNAL 日本)

スウェーデンの検察当局は21日、
アフガニスタンでの対テロ戦争に関する
米軍機密文書を暴露した内部告発サイト
「ウィキリークス」の創設者で
オーストラリア人のジュリアン・アサンジュ氏を
レイプ(婦女暴行)容疑で指名手配したと発表したが、
そのわずか数時間後に嫌疑を取り下げた。
 
同国の検察当局のウェブサイトは、
ジュリアン・アサンジュ氏の嫌疑はレイプではない」とし、
逮捕もしないとするコメントを掲載している。

 ただしAP通信の報じたところによると、
スウェーデン検察の広報担当者は同氏には別件で、
レイプよりも罪の軽い痴漢容疑をかけられている
と述べたという。 

 アサンジュ氏はレイプ容疑で逮捕状が出された際、
ツイッターのウィキリークスのアカウントを使って
コメントし、「告発には根拠がなく、この時期に
逮捕状が出されるのは非常に当惑させられる」と述べ、
ウィキリークスはこれを「卑劣なわな」だとした。

電子メールによる取材に対し、アサンジュ氏と
ウィキリークスのコメントは得られていない。
また検察当局への電話取材には応答がなかった。

 ウィキリークスは先月、アフガニスタンでの
対テロ戦争に関する米軍機密文書7万6000点を公表した。
アサンジュ氏は最近、ウィキリークスのシステムの
一部があるスウェーデンに滞在していた。 

 米国防総省は兵士やアフガン市民の命を
危険にさらす可能性があるとして、
アサンジュ氏による文書公表を厳しく非難していた。
アサンジュ氏は同戦争に関する文書をさらに
最大1万5000点追加公開する予定だと述べていた。
同氏は一般市民の犠牲者や米軍の戦術などについて
透明性を上げる必要があると指摘し、
文書公表は正当だと強調した。
国防総省は21日、コメントを拒否した。 

 スウェーデン検察当局がレイプ容疑で
逮捕状を出したというニュースを報じたのは、
スウェーデンのタブロイド紙「エクスプレッセン」だった。
ウィキリークスはツイッターでこの報道について触れ、
「われわれは以前から、『卑劣なわな』が仕掛けられる
と警告されていた。今回のものがその第1弾だ」と述べた。

  ウィキリークスは、「われわれは21日に
このプロジェクトの創設者であり広報担当者の
1人でもあるジュリアン・アサンジュに
レイプの容疑がかけられたことを知った。
われわれはこの問題について深く憂慮している。
われわれウィキリークス関係者はジュリアンを高く
評価しており、彼を全面的に支持している。
ジュリアンが嫌疑を晴らし、身の潔白を証明する
ことに力を注ぐ一方で、われわれは通常の業務を続ける」
というコメントをサイトに掲載した。