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コーラン焼却 抗議デモ 1人死亡か

コーラン焼却 抗議デモ 1人死亡か
(2010年9月11日東京新聞)

アフガニスタン北部バダクシャン州ファイザバード
の北大西洋条約機構(NATO)軍の基地前で十日、
米フロリダ州のキリスト教会がイスラム教の
聖典コーランの焼却を計画したことに抗議する
デモ行進があり、数人のけが人が出た。
ロイター通信は、州政府報道官の話として
一人が死亡したと報じた。

 同通信によると、デモには約一万人が参加し、
同基地に向け投石などをしていた。
NATO軍主導の国際治安支援部隊(ISAF)
報道官は、事実関係を調査中だとしている。
これに対して、地元の警察署長はAFP通信に
一人死亡との情報を否定した。

 同通信によると、デモ隊は十日、
「米国に死を」などと反米スローガンを叫び
ながら行進。アフガン治安部隊が現場に駆けつけたが、
投石などで警察官ら数人が負傷したという。
数千人規模の抗議デモは九日にも
首都カブール北部のカピサ州でも起きており、
二日連続だった。

 コーラン焼却を計画していた米教会の牧師は
十日、計画の中止を表明したが、
アフガニスタンでは九年に及ぶ対テロ戦で
国民の反米感情が募っており、同計画で
さらに反米機運が高まった。

 カルザイ大統領は十日、焼却計画について
「(計画は)中止されると聞いているが、
焼却という発想自体をすべきではない」と強く非難。
「コーランは(イスラム教徒)十五億人の
心の中にあるので、焼かれても傷つきはしないが、
コーランを侮辱することはイスラム諸国を
侮辱することだ」と述べた。

 また、最大のイスラム国インドネシアの
ユドヨノ大統領も同日、「この計画は平和と
国際社会の安全を脅かしている」と発言。
米国政府などに計画を確実に中止するよう促した。